セイコーマチックウィークデーター ‐流線と直線、過渡期のデザイン
五月もはや一週間が経ちましたね。外では若葉が青々と茂っていて前向きな気分にさせてくれます。堂々と外出できないのが本当に悔やまれる。
こんな時は時計のお手入れです、手持ちの時計を毎日飽きもせず眺めてます。今日の時計はこれ。
セイコー62系機械を搭載しています。35石とかなり多石なので販売当時は高級モデルだったことでしょう。ケースは傷だらけですが、文字盤の状態は綺麗でサンレイ仕上げ(絹目か?)の光沢が今でも確認でき、前の持ち主は大切にしていたことが窺えます。
このモデルには有名な独楽のマークがありません。ウィークデーターはロードマチック程ではないもののバリエーションが多く、ニコイチ(ガッチャ)も含めるとその種類は多岐にわたります。ですが正規の個体で防水性の高いスクリューバックとウィークデーター表記を併せ持つのは僕が確認した限りこのモデルのみです。
文字盤のフォントバランスが最高。"Weekdater"の文字入りがどうしても欲しかった。ダイアショック=耐震表記がありますが、半世紀も前の時計なので効果を期待してはいけないでしょう。セイコースタイルを完成させる前の作品なので、現在では見られない特殊なケース形状をしています。ラグとベゼルは流線的につながっているのに別々に面取りされてはっきり分けられてもいる。
このブレスは当初似合うかなと思い注文したジェランチャさんの3連オイスターリベットブレスです。いざ取り付けようと思ったら弓管の形状が合わなくて大変。弓管だけって普通売ってないんですよね...仕方なく手持ちのパーツを工作してようやく取り付けたのが上の写真です。写真写りはいいですが実際は傷が大変目立ってしまいあえなく取り外し→予備在庫送り。無念。
こちらが現在着けているブレス。購入時に着いていたものでなかなか面白い形状をしています。一見そうは見えませんが独特なラグの形状をしているので、純正ベルトの弓管はどうなっているのか一度見てみたいです。
フルスペル表記の曜日窓もお気に入り要素のひとつ。ただしこの時計は現在では当たり前になった曜日送り機能が付いていないので、針送りで曜日を変更する必要があります。このモデルの竜頭操作はおそろしく面倒なので曜日があっていない状態で使用することも珍しくありません。土曜日は青、日曜日は赤で表示されるのですがこれが休日の特別感があって好きです。
中身は錆び錆びですね、これは早くOHしてもらわねば。35石というからもっと人口ルビーが詰まっていると考えていましたがそうでもありませんね。よく見るとルビーが嵌っていたらしき穴がいくつも見えるので、半世紀のうちに劣化、破損したのかもしれません。
62系はGSにも搭載された完成度の高いムーブメントです。耐久力にも優れておりセイコー初のダイバーズウォッチであるファーストダイバーのムーブメントにも62系が抜擢されました。
蓋もちゃんと純正のようです。気になるのはOHの記録が書かれていないことですが、まさか50年ノーメンテ、ということはない..よね?
オールドとはいえスクリューバックの防水性は(ポコ蓋に比べれば、ですが)多少なり信用できるので、夏でも涼しい日なら着けていくことができそうです。でもやっぱり本命はG-SHOCKやダイバーズになるんだろうな。
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