はい、久々の時計記事です。このところ忙しくて。
今日はセイコーSKZ209、通称"アトラス"の紹介です。
セイコー5の元祖高級モデル。7S26キャリバーの上位キャリバー(摩擦防止ルビーが2石増えただけらしいですが)、7S36を搭載しています。FFF(フィフティファイブファゾムス)ことSNZH55にも使われている機械です。
定価約30000円と、10000円以下のモデルがひしめくセイコー5においては有り得ない程の高価格。この価格設定はプロスペックス下位モデル並みです。これなら正直セイコー5の枠に収める必要はなかったんじゃないかと思ってしまいますが、"5"という商品群の最上位モデルというのがコイツの持ち味なんだと思います。
ダイバーズっぽいですが違います。アトラスというのは英語で「地図」を指す言葉です。ドラクエのオレンジ色の巨人が真っ先に浮かびますが。ロレのエクスプローラーのようにどちらかと言えば山での使用を想定した時計で、野外で自分の進行方向を確認できる方位計を装備することからこの名が付きました。
購入時から傷アリ...まあ仕方がないか。
日本で流通してるアトラスには黒と青の2種類がありますが私のは青。ブルーアトラスなんて呼ばれてます。ベゼルは黒に近い色で光に当てると青が見える粋な仕様。黒はブラックアトラスです。
一際目を引くのはやっぱり9時位置のつまみでしょう。これで名前の由来である方位計を操作します。NとかEとか書いてある部分ですね、ここがクルクル回ります。インスタグラムに動画上げたので良かったら見て下さい。
セカンドダイバーを彷彿とさせる鬼カッコイイ竜頭ガードです。ぐわっと盛り上がった形がたまりませんね、これだけ大きいとどこにぶつけても安心!って思えます。
WATER "200M" RESIST っていうのがミソです。JIS合格のダイバーなら DIVER'S 200M って書けばいいし、そうでなければ20気圧防水って普通は書く。おそらくセイコー5は本来は海外でしか販売されていないモデルだからでしょう。
JISっていうのは日本の工業製品にのみ適用される規格だから海外で生産、販売されるセイコー5には適用できない。だからダイバーズとしての性能を満たしても他のセイコーダイバーズと同じ DIVER’S は名乗れない。WATAR 200M表記はこの時計が「セイコー5の」ダイバーズウォッチである何よりの証であり、この時計を取り巻く複雑な事情を表すものかもしれません。
5盾っていいデザインしてますよね。私大好きです。
何気なく凄いのがカレンダーです、なんと縁が別部品なんですよ。高級機ならいざ知らず安価な7S系の時計でこんな仕様はアトラス以外ありません。
針もセイコーダイバーズおなじみの矢鉾針をアレンジをしたオリジナルです。ボーイの針と比べて「くびれ」がなく、中心をまっすぐ分割線が通っています。ブラックアトラスは針が黄色なんですが、私は海中から晴空を仰ぐときのような薄青色の針に何とも言えない味わいを感じたので絶対ブルーが欲しいと思ってました。
横にすると分厚さがよく分かる。ブレスの状態ではなんとモンスターより重い。
「コインエッジベゼル」と呼ばれるダイバーズに多いギザギザベゼルですが回せません。これがダイバーズじゃない決定的な理由です。
方位計のつまみに5盾マークがしっかり刻印。普通は高級機のための要素で、手の掛けられたモデルである証です。ラグは貫通穴仕様なので気軽にベルト交換できます。
裏側。裏返すと今度は幅の巨大さが分かります。
分厚くデカい。パネライクラスなんじゃないでしょうか。
見たこと無いけど。
アトラスは金属ブレスが標準装備ですがこのブレスが曲者。
左端を見てほしいんですが中までぎっしり詰まった無垢ブレスでとにかく重い。さらに一コマ一コマが大きく調整が大変です。しかも上の2~3枚目の写真見ると分かるんですがアトラスのラグって特殊な形状をしています。ガニっと股を開いたような形です。これが合う弓管がなくて金属ベルト探しはかなり苦戦します。
アトラスがこだわって作られたことが分かる部分ではあるんですがね。
という理由で私はNATOベルトの方が好みです。この青×黄色なんかよく似合ってると思いませんか?特徴満載のモデルなので少し抜け感を出したつもりなんですが。
当ブログおなじみの比較編。
セイコーダイバーズの矢鉾針をアレンジしたことがよく分かります。中央に線が入ることで針の色が強調されていて、私はこのアレンジ好印象です。
という訳で今回はセイコー アトラスの紹介でした。
とても個性的で「何にも似ていない」という意味ではモンスターに比肩するモデルなのではないかなと思います。5盾刻印やカレンダー枠、必要ないコインエッジベゼルなど細部にわたる装飾が5とは言えハイエンドであることを主張しており、所有欲が満たされました。
個人的にですがセイコーダイバーズといえばボーイ、モンスター、アトラスという印象でした。憧れの3つを全て自分の目で見て触ることができ感慨もひとしお。次の目標は何にしようかな、欲しいモデルはまだまだあります。