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タナカ グロック17 レビュー【2nd・モデルガン】

 

グロック17は現在のポリマーフレーム一強時代を作った始まりの銃であり、発売から40年経った今も最前線で使用されるバリバリの現役銃です。その影響力はM1911すら超えているかもしれません。

実銃は1979年登場。安全性に疑問が持たれ衰退したストライカー式+当時まだ成功例が無かったポリマー(プラスチック)フレームという超実験的な銃でありながら並み居る名銃を押し除け世界中で大ヒットし、以降の拳銃開発の流れを変えてしまった傑作自動拳銃です。

後続のポリマーストライカーとは似て非なるメカニズムを持ち、グロック社はこれをセーフアクションと称しています(通常、ストライカー式はシングルアクション)。

 

タナカ グロック17 レビュー

タナカ グロック17 レビュー

タナカのグロック17(モデルガン)の現行品はスライド、フレーム共にHW(ヘビーウェイト)素材で作られたEVO2モデルです。実銃はスライドが金属なのですが質感の違いは塗り分けで表現されています。これが大変よくできていて、光に当たるとまるで金属のような光沢を見せてくれます。

突起もなくのっぺりした形で子供が書いた絵のようですが、その印象は核心を突いています。引き金以外の操作部品がなく、撃ちたければ引き金を引けばいい。グロックにはマニュアルセーフティがありません。この銃は引き金を引かなければ絶対に弾が出ない=暴発しないのです。順を追って解説していきます。

 

タナカ グロック17 レビュー

拡大すると質感の違いがより分かりやすいですね。横線の入った銀のパーツがスライドストップ、いつもの位置にマガジンキャッチと、中央の縦長パーツがテイクダウンラッチ。両側から押し下げるとスライドが外せます。手動のセーフティーはありません。

グロックにはコッキングインジケーターが装備されており、トリガーの位置で装填の有無を確認できます。上図は装填状態で、非装填時はトリガーが後退します。実はこれが正確に再現されているのはモデルガンのみで、エアガンでは構造上再現不可能な部分です。また、空撃ち時のトリガーの引き心地は実銃と全く同じだということです。タナカの再現度の高さに脱帽です。

引き金の前面に飛び出てる突起がグロックの3つあるセーフティの一つ、トリガーセーフティです。一定の方向(=意図的に引き金を引く)に力が加わらない限り引き金が動かないようになっています。仕組みとしては至極単純なのですが実際に安全対策としてバッチリ機能するそうです。

 

タナカ グロック17 レビュー

銃口付近。フレームだけに留まらずこの銃は至る所にプラスチックが使われていてトリガー、リコイルスプリングガイド、マガジンなんかもオールプラ。当時あらゆる面で革新的だった銃、それがグロックです。

フレーム下にチラッと見える縦長のパーツはシリアルナンバープレートです。エアガンだとここがセーフティーになってるのが定番ですね。雰囲気を壊さない良い改変だと思います。

 

タナカ グロック17 レビュー

グリップ周り。2nd以降はテクスチャの加工がされているのでしっかり手に食い付きます。この個体だけなのか、残念ながらマガジンは自重落下しませんがグリップ下部が大きく切り取られており交換に手間取ることはありません。

マグバンパーはプラ製です。写真の2箇所にグロック社のロゴが入ってますが本体(グリップ)のロゴがしっかり"GLOCK"になってるのに対してマガジンの方はよく見ると"CLOCK"になってます、本体の改造が不可能でもマガジンが万が一犯罪に使われた時を想定してでしょうか。絶ーーーっ対に無理だと思いますがね、メーカーが日夜どれほど血眼になって対策してることか。

 

タナカ グロック17 レビュー

レバー類がないのに反対側はそれなりにゴチャゴチャしてます。この銃が採用しているSIG方式のティルトバレルは排莢口をロッキング・ラグとしていますが発火の関係上、モデルガンでは排筴口の高さが足りずリアルでありません。この部分だけはエアガンの方がリアルです。ダミーカートモデル出ないかなー。

革新的機構が盛り沢山なのにティルトバレルなど手堅い機構も上手く取り入れているバランス感覚が、この銃を名銃たらしめているのでしょう。

 

タナカ グロック17 レビュー

握り心地は普通のダブルカラム銃といったところですが、タナカのグロックは実物より分厚くなっているそうで国内メーカーだとKSCのグロックが実物に近い握り心地と聞きます。ただ、この銃の本当に凄いところは別にあります。

グロックは照準合わせが要らないのです。握って対象に向けるだけでものの見事にぴたりと照準が合います。最初握った時は大変感動しました。普通はその銃独自の"クセ"、照準の高さやグリップと銃口の角度などを把握し体を調整する必要があるのですが...グロックと僕の相性が良かっただけという可能性もありますが、グロックが「撃ちやすい」とビギナーから玄人まで愛され普及したことと無関係ではないと思います。

人間の「指差し」のいうのは大変優れた照準で、ものの見事に指の延長線に対象を捉えるそうです。銃の照準はこの「指差し」の方向と銃口とのズレをどれだけ抑えられるかが重要だと何かで目にしました。つるりとして外観に特徴がなく好みのはっきり分かれる銃だと思いますが、「ツール」としてこの銃は万人にとって大変実用的で役に立つものだと思います。

 

タナカ グロック17 レビュー

タナカ グロック17 レビュー


前述した通り銃口周りはごく一般的なショートリコイル(SIG式)なので特徴はありません。スライド&フレームに収められたメカがグロックの核です。一見複雑そうに見えるメカは実際には大変シンプルな構造で、少ないパーツに「一人二役」どころか三役四役させる素晴らしい機構です。フレーム右側を走るトリガーバーがこのメカの肝です。

 

タナカ グロック17 レビュー

タナカ グロック17 レビュー

スライド内側にグロック17第2のセーフティー、AFPB(オートマチック・ファイアリングピン・ブロック)があります。1980年代に開発された、自動拳銃にはポピュラーな安全装置です。簡単に説明するとつっかえ棒で、このピンがファイアリングピン(発火装置)を物理的にブロックしておりトリガーを引ききった時だけピンが落ちる=発射できるようにしています。グロックの場合トリガーバー上の突起でAFPBを解除します。

 

タナカ グロック17 レビュー

グロックのセーフアクションはシングルアクション+ダブルアクションのような作動方式です。自動拳銃は通常装填すると同時に撃鉄が起きますがグロックは装填しても半分しかコックされません(ハーフコック)。この状態では仮に落下などの衝撃で撃針(ストライカー)が解放されても、加速が足りず銃弾の発火に必要な衝撃を与えることができないのです。この作動方式自体がグロック17の第3のセーフティーとなっています。

トリガーを引き切る過程でハーフコック→フルコックとなり、そして撃発します。同時進行でトリガーが撃発位置に来た瞬間のみAFPBが解除され、撃発可能となります。発射後にスライドが戻る過程で上図の溝と爪が噛み合い、トリガーバーに撃針が引っ掛けられまた半分だけコックされます(次弾装填完了)。これがグロックの仕組みです。

 

もの凄く複雑な動作に思えますが必要なパーツ数は少なく動作はシンプルで、よくぞこんなものを思いついたなという「アイデアの勝利」な機構です。これなら生産・整備共に効率よく行うことができ、使用者も理解しやすいでしょう。完璧です。

 

タナカ グロック17 レビュー

タナカ グロック17 レビュー

マガジンはプラ製でとても軽く、マルイのエアコキと大差ありません。しかしマガジンフォロワー内側には鉄が被せてあり金属部品と干渉しないようしっかり対策されています。

 

タナカ グロック17 レビュー

という訳でグロック17の紹介でした。私の拙い説明では理解出来なかった方、yonyon22.siteさんのモデルガンの解説ページならより詳しく分かりやすく説明してくださっているのでご参照ください。

シンプルながらかなり難しい機構のはずですが、タナカさんはほぼ完璧に再現してくださったようです。実際セーフアクションは説明するより見た方が遥かに分かりやすく、モデルガンを手にして初めて構造が理解できました。資料的価値がかなり高いといえます。遊戯銃界隈はエアガンモデルガン問わず不況のようですが、そんな中こうした手間のかかる品を作り続けて下さっていることに本当に感謝ですね。またリボルバーでも買って微力ながら応援していきたいです。

ご覧いただきありがとうございました。

 

マルイのエアコキも形はモデルガン並みに正確です

所有欲を満たすだけならこれでも十分