KSC CZ75 1st ディープブルーコーティング【過去銃レビュー】
これも思い出深い銃です。ベレッタM92Fやグロック17などのメジャーな拳銃に知名度は劣りますが東側・高性能・高品質などオタク心をくすぐる要素が盛り沢山です。今回はKSC社製をご紹介。
【実銃について】
(現行品のHWモデル。上記の写真はhttps://ksc-guns.co.jp/gas/handgun/cz75_series.html#cz75_1st_hwからの引用です。画像の全ての権利は引用元に帰属します。)
1975年にチェコスロバキアにて製造開始。質の高い硬質な鉄を材料にして手作業をふんだんに用いるという、人件費の安い東側陣営ならではの手法により作られた。当時の米国トップシューターがこの銃を絶賛したことで爆発的な知名度を得るが、東側製品のため輸入に制限がかかりプレミア化。東欧独特の美しいデザインと高品質で現在でも人気が高い。
【外観】
銃口付近が非常に薄くほっそりとした印象の銃ですが、ダブルカラムマガジンのため横から見るとそれなりに厚みがあります。KSCらしく内部パーツ含め完璧に近い再現度です。もちろん分解もできます。
ぬめりのある艶やかな黒い外観が特徴の大変美しい銃です。ディープブルーといいますが基本真っ黒、バレルにはシルバーメッキが施されとにかく全体が光ってます。指紋が目立つので使用後は必ず拭き取りましょう。
塗装膜が厚くエッジが丸まっているので金属の硬質感は感じられませんが、艶が高級感を出しており重さもしっかりあるので実銃の雰囲気抜群です。特に写真を撮るとまるで本物のように感じられます。こいつの写真が残ってないのが本当に痛い...
1stモデルを再現しているのでスライドのえぐりが2nd以降よりも大きいです。日本では1st信仰が根強く東京マルイも1stをモデルアップしてます。2ndの評判も決して劣るものでは無いのですが、確かに1stの危うささえ感じるスライドの薄さはそれが許されるほどの質の高い鉄を使っている高級品であるという説得力が大いにあります。
【動作】
スライドの引き心地は初め少し引っかかりがあるもののあとはスルッと滑らかに引ける普通のガバメント系です。ショートリコイルも再現されています。バレルのメッキが長期間の作動でどうなるかが懸念事項ですが私が持っている間は削れたりはしませんでした。
握り心地はダブルカラムとしては平均的ですが、見た目がスリムなのでグリップの太さのギャップが凄まじいです。なんか違う感。加えてトリガーまでの距離が遠く、見た目と握りやすさの乖離具合はNo.1でしょう(不名誉)。
トリガーの引き心地はダブルアクションでは最初だけ重く一気に軽くなる(いわゆるガク引き)ものでコントロールが難しいです。ただし初弾発砲後のシングルアクションについては引き味の軽さはむしろ長所であり、軽い力で滑らかに発砲できタイミングも掴みやすい素晴らしい撃ち心地です。
どのパーツも問題なく動きますが特徴的なスパーハンマーは指を掛けやすい反面ポキッと折れそうな華奢な感じがあり耐久性が不安。これはCZ75の総合的な印象としても言えます。
【性能】
システム7導入前のエアガンですが集弾性は高いです。反動も強めで見るだけでなく撃つ楽しさもあるモデルだと思います。「撃つこともできる観賞用エアガン」という立ち位置が正に僕の求めるものでかなりお気に入りでした。
ただKSCの銃は再現度の高さと引き換えに脆いという意識もあり撃った回数は少なめ。ましてCZ75はスライド幅が細く如何にも耐久性に欠ける見た目のため、意外な反動の強さもあって撃つたびに亀裂が入っていないかスライドを確認していました。
あとKSC製共通(今は分からないけど)のウィークポイントであるスライドストップの削れはこのモデルにも当てはまります。必ずスライドを引いて解除しましょう。
ダブルカラムですが割と冷えるのも早い気がします。まあこの銃を撃ち合いに持っていく人はいないでしょうから問題ないか?
という訳で今回はCZ75ディープブルーコーティングの紹介でした。
高い性能も勿論ですが非常に整ったデザインの銃です。最近は華奢な外見通りやっぱり壊れやすかった、なんてことが取り上げられやすいみたいですが銃なんてカッコよければいいんだよ!な人は古今東西多いようで他にない外観的魅力を持つCZ75系の銃は今でもそれなりに人気があるようです。