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マルゼン製ガスガン ワルサーPPK/S【過去銃レビュー】

 

マルゼン ワルサーppk/s レビュー

これはモデルガンですが(笑) 前回と同じ精読中の本とのツーショット。旅行エッセイなんですが、所々に入る挿絵が凄く上手でページをめくる手が止まりません。お勧めです。



私が過去所有したトイガンをレビューする企画第二弾。今回はマルゼン製ガスガン、ワルサーPPK/Sです。

私が初めて買ったガスガンになります。ひいき目もあるかとは思いますが、挙げればキリがないほど魅力的なモデルです。

マルゼンはAPS競技銃とワルサー社のガスガンで有名なメーカーで、特に今回紹介するワルサーPPK/Sは公式ライセンス所得による再現度の高さと何より価格の安さでガスガン入門に最適なモデルです。

 

【実銃について】

大変特徴の多い銃なので今回も簡単に。

1929年登場、世界初の実用的なダブルアクションオートであるワルサーPP(ドイツ語で「警察用拳銃」の意味)のアメリカ輸出用モデル。PPを小型化したワルサーPPKはジェームズ・ボンドの銃として一躍有名になりましたが当時アメリカでは小型~中型拳銃の規制の嵐であり、苦肉の策としてPPのフレームとPPKのスライドを組み合わせ輸出します。ところが手の大きなアメリカ人にはこちらのほうが撃ちやすいと高評価され大ヒット。後の中型拳銃開発の基準とされる程の地位を確立しました。特にGUN誌では新しい小~中型オートが出る度に比較に出されていた気がします。中型オートを代表する銃です。

 

【価格と性能】

昔は1万円以下で買えて性能よし外観よしの超良機でした、他にはマルイのグロック26しか無かったはず。今は1万円を少し超えてしまったものの未だマルイの小型オートと同じ価格帯を維持しており、外観の再現度の高さやブローバックの切れの良さ、デコッキング機能など個性も立っていてマルイ製と十分戦える商品スペックを持っています。

私が初めて撃ったガスガンはKSCのマカロフでしたが、小~中型オートのガスガンの魅力は小さな本体ゆえの反動のキツさです。ガツンガツンと手首に来る衝撃が「銃を撃っている」という感覚を味合わせてくれます。このPPK/Sも切れのある鋭いリコイルで、撃っていてとても楽しい銃です。空撃ち用に切り欠きが用意されており、ブローバックだけを楽しむことも出来ます。何度か友達とサバゲーに行って私は別に射撃が好きな訳ではないと分かったのですが、撃鉄を引くとちゃんと銃が作動するのを見るのはモデルガン的な楽しさがあります。

中型オートのシングルカラムのためマガジン=ガスタンクの容量は小さく、冬場の作動はまずまず程度の印象です。温めれば作動してくれますが、心なしか夏場よりはゆっくり動いているように見受けられます。すぐ冷えるので連射はできません。

 

【外観】

ABS製のためHWに比べ重量での再現性は劣ります。しかしワルサー社のライセンスを取得しており、外観の再現度はほぼ完璧と言っていいと思われます。同社のワルサーP38は実銃図面の提供を受けて完璧な実寸で作られておりますし、ワルサーP99に至っては実銃の日本版仕様としてワルサー社のカタログにも載っています。もちろん実弾は撃てませんがロマンがありますよね。PPK/Sに関しては三機種の中で最も設計が古く、おそらく実銃図面の提供や金型の修正などは無かったと思われるのですがモデルガンと比べても重量以外の差は感じません。

①ハーフコックがないこと②ハンマーがSIGのように響き撃ちで通常状態でも少し起きていること、この二点が不満点だったのですがモデルガンを手にしてまさかの二点とも実銃通り(だよね?)だったことに驚きました。よく見るとWikipediaの実銃画像とハンマーの位置同じなんですよね...これで正しいということです。それにしてもダブルアクションオートにはハーフコックがないということ、何丁も集めるうちに自然と知りそうなものなのに情けない。重いトリガー自体が安全装置でセーフティもあるから確かにいらないな。

 

トイガン

マルゼン ワルサーppk/s レビュー

実際はもう少しハンマーを押し込めるのだが...少し起きた状態で止まっている。

 

実銃

(上記の画像はhttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/ワルサーPPからの引用です。全ての権利は引用元のサイトに帰属します。)

 

デコッキングするとちゃんとファイアリングピンを囲むブロックが回転してハンマーを安全に落とす仕組みも再現されてます。その他サイトのセレーション、分解方法、内蔵スライドストップなど完全再現。設計は比較的古いはずなのにこのガスガンが今日まで生き残っている理由が良く分かります。唯一ローディングインジケーターピンだけがモールド(非稼働)でスライドと一体になってます。実物は1cmくらい飛び出るのですがガスガンでは少し出ているだけです。厚みはモデルガンより若干太い気がしますが、手の収まりは悪くありません。

 

【拡張性の高さ】

本当は外観の項目に入れるべきですが独立させました。特に外装のカスタムパーツが豊富なのはこの銃の大きな魅力です。

バリエーションは艶消しABSのほか、シルバーメッキモデル(ステンレス仕様を再現)、ブラックメッキモデルがあります。実は個人的には艶消し仕上げよりHWでは出せない艶のある素のABSが好きなのです...ならメッキモデルを買えということでしょうね。

純正のサプレッサーオプションが存在するのも大きな魅力です。若干グリップが長いものの007の銃そのもの、気分はまるで凄腕スパイ。そもそもボンドがサプレッサー使うことなんて殆どないから良いのです、あの人スパイの癖にバンバン撃ち合いするし。ちゃうねん本来そういう銃じゃないねん。

他にも他社から木製グリップ、木製マガジンボトムなどが出ています。この銃は木製パーツに換装した途端に官給品っぽさが消えて優雅な雰囲気になるので面白いです。雰囲気を崩さないために基本カスタムしない軍用銃とはまた違う魅力を感じさせてくれます。

 

【作動性】

主にモデルガンとの比較になります。スライドの引きの感触はモデルガンと大差なく、エアガンはパワー規制で強いばねを使えないのによく頑張っているなと感じます。ちなみに実銃はストレートブローバックのためバネがかなり固く、女性にはスライドを引くことが難しいそうです。護身用途が主な拳銃なのに女性が使えなくていいのでしょうか...?

撃ち心地は上述。ハンマーをコックした時の感触もモデルガンとほぼ同じ。トリガープルはスムーズですがダブルアクションにしては軽めです、ゲームの使用ではむしろ長所ですが。マガジンの保持力もしっかりしてます。

デコッキングはモデルガンが(マルシン製だけかもしれませんが)異常にレバーが固いのに対してガスガンは驚くほどスムーズです。軽い力でレバーを操作できます。しかし残念ながら致命的な欠点があって酷使すると金属疲労でレバーが根元から折れてしまうのです、私は3年目で折れました。実はモデルガンでも同様の症状が起きる、というかモデルガンの方が多分壊れやすいのですが実銃での破損事例は聞いたことがなく、実銃と違って脆い金属で作られているので強度が足りないことが原因と思われます。

大人気のベレッタ92Fなども形状は違うもののやはりレバーが折れた中古の個体を度々目にすることがあり、セーフティ兼用デコッキングレバーのトイガンの宿命と言えるかもしれません。USPのようなプラスチック製レバーは大丈夫な様子です。

 

【分解】

基本的に実銃と同様のパーツで構成されており分解も実銃通りの手順で行なえます。トリガーガードを下に下げて本体を傷つけない素材でつっかえを作り、スライドをいったん下げて前方に引き抜きます。

バレルはフレーム固定式のストレートブローバックです。このタイプは銃を小型に設計できますが前述したようなスライドの引きにくさ、固定されるが故に衝撃が逃げ場なく直に伝わるため反動がキツイなど難点もあります。ただしこのPPシリーズはトリガーガードが緩衝材の役割を果たしており他に比べて反動が幾分軽減されるそうです。そこまで考えて設計できるドイツ人の聡明さはやはり凄い。

内蔵型のスライドストップもしっかり再現。外側から操作できないので毎度スライドを操作して再装填しなければなりませんがそもそも撃ち合いを想定した銃ではないためこれで良いとされたのでしょう。おかげで操作部品はセーフティとマグキャッチのみというシンプルな外観であり、誤操作を起こしにくいです。当時新技術であるダブルアクション&デコッキング方式を採用するにあたって、再装填の素早さよりも誤操作を起こしにくい利点を取ったということで、その判断は正しいものだったと思います。

ダブルアクション機構に関してはガスガンということもあり実銃とは異なるパーツも多い印象です。シングルアクションやグロック式ストライカーと違い複雑なので分解は本当にお勧めしません。

 

 

ひいき目もありますが、モデルガンを手にして改めて凄まじい完成度だったのだなぁと感じさせられるモデルでした。でも真に凄いのはこれで1万円なこと、コスパ最強です。モデルガンは気軽に作動させられない歯がゆさがあるので、操作感を楽しむためにまた買い戻す日も来るかもしれません。

はじめての方に本当にオススメです。ガスガンの凄さを体感してください。