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マルシン製モデルガン モーゼルⅯ712【過去銃レビュー】

マルシン モーゼルⅯ712 レビュー

Ⅿ712もⅯ36も手元に無いので、Ⅿ1911で勘弁。

 

以前ハイパワーのレビューで触れたように、4年程この趣味を離れていましたが私は中・高・大と青春時代の多くの時間をトイガン趣味に捧げてきました。所有してきたトイガンも数知れず(費やしたお金も)。という訳でこれまでに所有してきたガンのレビューを少しずつ上げていきたいと思います。

といっても、過去の自分は余程の覚悟を持ってこの趣味と決別しようとしたらしく、過去撮った膨大な数の写真データは綺麗に消されてしまい殆ど残ってません。結局こうして戻ってくるのですから、後悔先に立たず。何事も勢いだけで滅多なことをしてはならないと学びました。自分の所感を書くほぼ文章のみのレビューになるかと思いますが、果たしてどれほどの方が見て下さるか。自分の文章力を試してみましょう。

 

第一回はマルシン製のモデルガン、モーゼルM712シュネルフォイヤー。デザートイーグルやベレッタM92F並みの超有名銃ですね。こいつを一番にレビューすることに決めたのは、ハードボイルド小説の金字塔「深夜プラス1」を再読したくなったこと。主人公の愛銃がモーゼルです。

 

そして、C96のモデルガンが発売されることを知ったから。そうですC96ですよ!映画や漫画などで登場するのは殆どがフルオート機能の付いたⅯ712で、固定弾倉式のC96が日の目を見ることはほぼありませんでした。しかし後述しますがモーゼルは固定弾倉がいいのです。9㎜仕様のレッド9がモデルアップということでやはりバイオ4人気か?と思いますがもしオリジナルの7.63㎜マウザー弾仕様が出たら泣いて喜びます。M712買えよという話なので望み薄そうですが。さて本題から遠いところに話が進んでしまったので、そろそろレビューを書いていこうと思います。

 

【実銃について】

前置きが長くなってるので簡単に。1896年に製造された最初期の自動拳銃でおそらく最古のプロップアップ式拳銃。この3年前に世界初の量産自動拳銃ボーチャードが発売されています。大きな改良もなくその後50年近く現役だったことから完成度は非常に高く実用的な銃であったと想像されます。ハンドガンというより小型のライフルというべき特徴的なフォルムは映画に漫画に引っ張りだこで知名度は抜群に高いです。

 

【外観】

とにかく大きく嵩張る。よくルガー・ワルサー(P38)・モーゼル(Ⅿ712)でドイツ御三家だなんていわれますが実際に並べてみるとモーゼルだけ浮いていて愕然とします。いわゆる「超大型拳銃」に属する銃ですが同類とされるM93Rやデザートイーグルあたりと違い一般的な拳銃の形をしていないため余計に大きく浮いて見えます。マグナム拳銃などと並べてみてようやくトントンといったところでしょう。

誤解されがちですがリボルバーというのは実際かなり大きくて嵩張る拳銃であるため、リボルバーが主流だった当時の人々には当たり前に受け入れられたのだと思います。小型化薄型化も行きつくところまで来た現代において、オートマチックとして見るには到底馴染めない大きさと厚みです。リボルバー好き・小銃好きのほうがたぶんこの銃と上手く付き合っていけるかと思います。僕はハンドガン専門でしかもオートびいきなので実際所有してみるとなんとなく異物感がありました、写真で見ると違和感も無く本当に美しいんですけどね。しかし数あるコレクションの一つではなく高価な一品ものとして見たとき、この銃は大変満足感が高いでしょう。チャーチルしかりこの銃が将校の私物として大人気だったというのもさもありなん。

前述したようにポケットライフルとでもいうような、高級感あふれる機械的な見た目です。いかにも中身詰まってますよというような機関部に素朴な木の持ち手がベストマッチ。とどめにすらっと伸びた美しいバレル。最高に映えます。生産コストが非常に高そうで軍用というより民生の高級品という趣です。実際、一度もドイツ軍には正式採用されていません。

 

【持った感じと操作感】

金属の塊という感じでずっしり重みがありますし前方が少し重いフロントヘビーです。よく持ちやすいと言われるグリップですが個人的にはそんなでもない、むしろ巨大な体躯を振り回すには余りにも華奢過ぎて不安。すっぽ抜けそう、ストックが欲しい。。。営業戦略上の意図的なものか?(笑)

セレクターも硬いし(むしろ簡単に動いたら困るんだが)、ハンマー+ボルトという見慣れない組み合わせ(ハンマーあるのにホールドオープンの時にボルトだけ飛び出してくるの凄く不自然に感じる)、ハンマーも大きく操作しにくい(本体の大きさ的に仕方ないか?)。マガジンキャッチも左側にあって使いにくい、これは固定式のものをむりやり変えた弊害のような気がしますが。。。

安全装置もハーフコックに毛が生えた程度のもので視覚的に安心できるものでは到底なく、更に聞くことには落とすと普通に暴発しかねないらしい(実銃の話でトイガンでは大丈夫だと思う)。あとレバーがハンマーの横から生えてるので紛らわしい。

 

ボロクソに書いてきましたが最初期の自動拳銃ですし現代の拳銃と並べて語るのがおかしいのでしょう。逆さにしてもちゃんと動作するなど作動の信頼性は高いらしいですが操作性はまだまだ発展途上といった感じです。プロップアップ式特有の粘りあるスライドの引き感はそこまで感じず、むしろ前述したボルトの下にハンマーがある違和感の方が絶大です。

 

【マガジン】

この銃で一番気になるのはここ。M712というと突き出た20連マガジンのスタイルが印象的ですが、ショートマガジンを買えば従来のスタイルと使い分けられてラッキーだなと思ってました。だけどいざやってみるとマガジンの下の方にどうしても隙間が出来てしまい変に感じてしまう。C96は一体成型のため当然このような隙間は無いです。

着脱にしてもグリップを握ったまま前方にマガジンを入れる必要があるためどうにもやり辛く、当然ライフルみたいに安定した保持を続けながらの装填はできません。ちゃんと奥まで差せたか、マガジンが抜けたりしないか常に心配で仕方ない。10発→20発と装弾数が倍に増える改良とはいえ、私はどうもこの銃にマガジン式は合ってないと考えるようになりました。C96に憧れだしたのはこれが理由です。

 

【分解】

ラッチを下げると横から機関部が丸ごと引き出せます。機関部が丸ごと、という点で奇しくも同じ弾を使えるTT-33トカレフが浮かびますが影響を与えたのでしょうか。ねじを使わずパズルのように組み合わされていて分解には躊躇してしまいます、面白いと思う方もいるでしょうが。。。中身を見てもやはり生産コストが非常に高そう。

 

【使用弾薬】

7.63㎜×25㎜マウザー(モーゼル)弾。この銃が真に凄いのはこの弾薬な気がします。本体同様この弾も一般的な拳銃弾よりライフル弾に近く、初速と貫通力が高いので命中しても貫通してしまいストッピングパワーは低いです。ですが敵を殺すことより、けがをさせて救護のため多くの人員を前線から撤退させる方が得な戦場では有用でした。戦後に凶悪犯罪者が仮想敵となるとストッピングパワーが低く貫通して二次被害を出しかねないこれらの弾は敬遠されたのですが。。。

更に時代が進み、ボディーアーマーが普及するようになると逆に貫通力の高さでアーマーを貫けるこれらの弾は再評価され始めました。近年このような貫通力の高い弾丸を採用した拳銃としてはFN社のFive-seveNピストルがあります(最初と最後が大文字なのは社名のもじり)。

鑑賞物としても他の拳銃弾と明らかに異なる形状、というかほぼライフル弾である7.63㎜×25㎜弾を拳銃サイズに装填できるのは他とは一線を画すという特別感を与えてくれます。形状も相まってこれはやはり超小型ライフル。この銃は中国軍の装備として重用されたのは有名ですが、同軍に同じ弾薬を使用できるトカレフが供与された際多くの者がモーゼルからの乗り換えを拒んだと聞きます。取り回しの良さなどは比較にならずモーゼルが勝るのは火力のみなのですが、やはり性能だけでは語れない魅力があったということでしょう。

 

とまあモーゼルⅯ712についての所感を書いてきましたが、いかがだったでしょうか?好きこそものの、我ながらよく覚えているものだと感心そこそこ呆れます。大きく嵩張るので買戻しには消極的でしたが、さてどうしようか。今度はストックも買ってカービン化してみたいですね。やはりストック付き拳銃の代表格はコイツでしょう。
 
ご覧いただきありがとうございました。