セイコーのブランドまとめ<前編>
だいぶ遅いかもしれませんが、セイコーの高級ブランド「ガランテ」が今年9月をもって販売を終了するというニュースを知りました。コロナショックによる影響とは考えにくいですが驚きです。最高級ラインは今後GSとクレドールの二本柱となるのですね。
そんなこんなで、考えてみると国産時計好きを名乗りながらセイコーのブランドが把握できていないことに気づいたので主要なブランドをまとめてみました。今回は低価格ブランドを紹介します。
<ALBA>
”アルバ”と読む。若者向けの低価格ブランドとして1979年に誕生、ブランド名はイタリア語で「夜明け、始まり」を意味します。SEIKOのロゴは入りません。
基本的にクォーツモデルが中心ですが品質は低価格ながら高いものを維持しています。アルバブランドの特徴としてある種前衛的・実験的なデザインの時計が多く、加えてディフュージョンモデルとして高価格帯の製品のデザインがアレンジされたもの(=手の届かない製品と似たデザインを安く入手できる)も存在するため一部モデルの価格はそれなりに高騰しています。
奇抜な時計ばかりでもなく堅実なデザインの良品も多く存在するため低価格帯では隙のないブランドといえます。画像の製品が好例で、「フィールドギア」の名称でモデルチェンジを繰り返し長年生産されているロングセラーミリタリーです。
<ワイアード/WIRED>
(画像はAmazon販売サイトからの引用です URL:https://www.amazon.co.jp/ワイアード-WIRED-Sukezane-クロノグラフモデル-AGAV014/dp/B001FSJ7VY)
ファッション性の高い時計をテーマに2000年に立ち上げられたブランド。こちらもSEIKOのロゴは入りません。ブランドの性格がアルバと被るところがあり、現在では若者向け時計の地位はワイアードに取って代わられたよう。それでもアルバブランドは細々と継続されています。比べるとこちらはまだ保守的なデザインの時計が多い印象です。青を基調にしたデザインが多い気がしますが若者のイメージカラーはやはり青なのでしょうか。
画像は個人的に一番気になったモデル。コラボモデルのようなのですが”茶馬”と呼ばれる往年の名機にそっくりなんです。ただ皆考えることは同じようで今ではけっこう高くなっちゃってます。
<セイコー5>
最近新しく国内ラインが誕生しましたが、本来は途上国や中東など第三国向けの機械式ブランド。最低価格約¥5000からの、マニファクチュール(部品を含め自社のみで時計の生産を行なうメーカーのこと)として最も安い機械式時計群です。おそらく世界で最も安く機械式の新品が手に入るブランドでもあります。
安価ですが頑丈で精度もそこそこあり世界中に愛好家がいます。さっきから世界世界言ってますが誇張でもなんでもなく、海外におけるセイコーの人気をささえる屋台骨です。ブランドとしての歴史も古く1960年代から生産が続けられています。
写真のモデルは国内向け5のモデルにもなった”ボーイ”と呼ばれるモデル。セイコー5は文字盤上部に盾のマークが刻まれるので厳密には5ではありませんが、海外専売ながら国内外問わず大変な支持を集める傑作ダイバーズです。
<セイコーセレクション>
以前はセイコースピリットと銘打たれたブランドだったのですが再編されたようです。ソーラー電波のモデルが多い。他の低価格帯ブランドよりビジネスライクなデザインが多いので少しちゃちに見えるモデルもありますが、道具としてはやはりセイコー、信頼できる性能だと思います。見栄を張らない時計としては十分です。写真はSBPX083というモデルで僕の就活用時計です。サラリーマンになっても使い続けるつもりでいます、いい時計ですよ。
<PULSAR>
(画像はAmazon販売サイトからの引用です URL:https://www.amazon.co.jp/PULSAR-PM3129X1-Military-パルサー-パイロットウォッチ/dp/B07WGVRFPR?ref_=ast_bbp_dp)
入れるべきか迷いましたが、こちらもセイコーのブランド。"パルサー"と読みます。SEIKOロゴは入りません。海外の若者向けの低価格ブランドとして展開されていて、現在のラインナップはアナログクォーツが中心です。しかし元々はハミルトンが開発したデジタル時計の名称であり、その後独立したブランドを1979年セイコーが買い取りました。
注目すべきはなんといっても2000年代にイギリス軍に時計を納入したという点でしょう。正真正銘のミリタリーウォッチでありながら価格的に大変お手頃です。他の特徴としてはクロノグラフの時計が多い印象です。画像は納入品の民生仕様。
長くなったのでこのあたりで。
このまま次の記事で続きを書こうと思います。