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セイコーSKX779レビュー ‐迫力満点のへビーウォッチ

 

どうも、ときちけです。

今回はセイコーSKX779、通称”モンスター”の紹介をしたいと思います。

このモデルは2020年現在絶版となっており、中古品以外での入手は困難です。某オークションにて¥20000で入手いたしました。低価格ダイバーズの雄としてあの"ボーイ"と肩を並べる二枚看板の片割れです。

セイコーモンスターレビュー

ベゼル幅44㎜径と手持ちの時計で一番大きなサイズ。

セイコーモンスターレビュー

反対から。不必要に大きいわけでは無く、整ったフォルム。

 

この時計は数あるセイコーダイバーズの中でもとりわけ成功したモデルで、現在でも搭載キャリバーを替えて数々のラインナップが展開されている看板商品です。それらの派生モデルには4Rという中間グレードのムーブメントが積まれていますが、初代であるこの"ブラックモンスター"にはセイコー最強の汎用ムーブである7S26が積まれています。

 

4R搭載の"アイスモンスター"を実際に手に取って確認したことがありますが、まず質感は間違いなくそちらのほうが上です。さらに4Rは手巻きもできますし、日差も小さいです。しかし機能が追加されるほどムーブメントは複雑で繊細になります。7S26は単純な分非常に頑丈です。まあハック(秒針停止)機能が追加された程度ではそこまで複雑にはならないかもしれませんが。

本当はだめですが着用したまま自転車乗ったりしても日差に殆ど変化ありません。ダイバーズウォッチは頑丈さがウリにされることもありますし、以前の記事でも述べたように正確さを求めるならクォーツの方を選ぶべきだと思います。また4時位置リューズは手巻きがしにくいです(経験談)。平均取引価格に2倍の差があるのでどうしても新品が欲しいとかでなければホントに初代はおすすめです。

 

セイコーモンスターレビュー

正面から。鉄の質感むき出しのベゼルが本当にGOOD。

 

低価格の海外向け製品としてつくられただけあってベゼルの質感は粗く、鉄の塊からそのまま切り取ったという体です。派生型は価格が高いだけあってベゼルも磨き上げたように輝いており、荒々しくもどことなく上品な雰囲気を放っています。一方初代はいかにも粗削りといった雰囲気で、ベゼルの輝きもギラギラしています。これが"モンスター"の愛称にとても合っているように感じられるのです。

また初代はインデックスに塗られている夜光塗料がミント味のガムのような乳白色のグリーンなのですが、これがデザイン上の絶妙な差し色となっており、この時計に見事にグリーンのイメージを与えています。正直"グリーンモンスター"でも通るんじゃないでしょうか。

 

セイコーモンスターレビュー

夜光はバッチリ。安定のセイコー品質。

 

このモンスターは時計愛好家の方々から「既存のどの時計のマネでもない、完全オリジナルのデザイン」であるといわれています。他のどれにも似ていない、そういった意味では数十万の時計と肩を並べ得る時計です。事実、海外の時計コレクターの方々の写真でロレックスやウブロ、ブライトリング、ジャガールクルトなどの時計に混じってケースに鎮座しているこの時計をよく見かけます。海外では良いものが値段に関係なく評価されやすい土壌もあるのでしょうが、大いに所有欲を満たしてくれます。

"モンスター"の名前の由来は「怪物が獲物に向かって大きく口を開いた」ように見えるデザインだといわれていますが、実際に見るとずいぶんかわいらしい怪物だなぁと感じます。いかつい猛獣というよりは勇敢な小動物といった感じ。後続の”シャークトゥース"と呼ばれるモデルはインデックスの先端が尖っているのでより攻撃的でアクティブな印象になります。僕はこの少し丸っこい雰囲気が好きなんです。

 

セイコーモンスターレビュー

そこそこ分厚い。袖口への収まりは悪いです。

 

個人的にボーイよりもモンスターの方が時計として優れていると感じます。理由は3つ。まず、ばね棒の通し穴が貫通しているため外側から押し込むことでもバンドを取り外せる点。アンティークでありがちなのですが、貫通仕様でない場合ばね棒が内部で錆びているとばね棒が動かせず取り外しに非常に苦労します。海水などでも錆びる可能性を考慮するとダイバーズとして非常に有用な機能です。

次に、大きさやデザインも関係していますがリューズが大きいのでとても操作しやすく、ねじ込みが本当にラクです。ボーイの場合はリューズの小ささもあって、戻す際は力を入れながらリューズをねじ込む必要があるのでポキッ!と折れないか少し不安になります。

 

セイコーモンスターレビュー

1コマつなぎのベルト。重厚な雰囲気が見事に本体とマッチしている。

 

最後はベルトです。シャラシャラした質感のボーイの純正ベルトは通気性や装着性の観点ではとても優れているのですが、少し安っぽいとの声もあります。一方こちらは1コマ1コマ中身が詰まっており、質感は明らかに上です。クラスプは2段階ロック式となっていて外れる心配も無く安心して着用できます。1コマが大きいので僕みたく手首が細いと調節に苦労しますが、時計本体との一体感が高く良い純正ベルトです。

 

これらを総合して見ると、商品のランクはおそらくボーイ<モンスターですね。

 

セイコーモンスターレビュー

ベゼルのクリック感も良好。

 

以上でモンスターのレビューを終わりたいと思います。この時計、実を言うと初見ではいい印象を持ちませんでした、ベゼルがしぼんだ花みたいに見えて。しかし実際に手にしてみると鉄の質感が凝縮されたような重厚な雰囲気が大変気に入りました。ボーイより汎用性は劣りますが、強烈な個性を持つ唯一無二の時計です。まだお持ちでない方は是非。

 

新品だとこれとか雰囲気近いです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。