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時計中心の趣味日記(アフィリエイト収益化をしています)

マルシン ブローニング・ハイパワーのレビュー①

 
まーた3週間も空いてしまった。まあ更新する度に見て下さる熱心なときちけフォロワーの方が果たしてどれだけいるのか?10人くらいいてくれたらいいなぁ。
というわけでトイガンレビュー第一回はマルシン工業のモデルガン、ブローニング・ハイパワーです。
 
実銃は1935年登場。当時6〜8発が普通だった拳銃の世界で標準サイズながら9㎜パラベラム弾(現在世界で最も普及した拳銃弾で、当時としては上位の威力)を13発も打てるという大火力から"ハイパワー"と呼ばれました。
 
トイガンとしては現在マルシンからモデルガンが、タナカからガスガンが販売されています。タナカが後発でリアルな寸法で作られている反面、マルシンは昔からあるモデルなこともあり実物よりグリップ周りが太いなど若干の違いがあるらしい。個人的には装填排莢を楽しめないのはNGなのでマルシン一択。
 

正直に言ってこの銃を一目見て好き!という人はあまりいないんじゃないでしょうか。私も最初パッとしない銃だと思っていました。ベレッタやワルサーなどの華美な拳銃や80年代以降のモダンオートばかり見てきた新米には、この銃から滲み出る古き良きヨーロッパの香りが分からず、また理解もできなかったのでしょう。私は同じFNの1910も大好きなんですがこれにしても最初はのっぺりしてカッコ悪いと思ってました。FNの銃はどれもスルメ的な魅力を持っているんですねぇ。余談ですがFN1910は日本軍将校の私物として絶大な人気があったようで、当時の人の美的センスの高さにはただ驚くばかりです。
 
↓FN1910、通称FNブローニング。

(上の画像はFNモデル1910 - ウィキペディア (wikipedia.org)からの引用です。この画像の全ての権利は引用元に帰属します。)
 
その魅力とは何なのか?以下は私の超個人的な見解ですが、"匂う鉄"とでもいいましょうか。時計でも同じことが言えますが私はヨーロッパの製品にいつも水の存在を感じるのです。日本のような清流ではなく少し淀んだ、よく氾濫し、仄かに土の匂いを含んだ水。そんな土地から採れた鉄は全体的にどこか水の臭みや淀みを漂わせるのです。決して不快なものではなく異国情緒あふれる魅力的な香りです。私はそれがヨーロッパ製品独特の"味"だと捉えています。
 
閑話休題。。。
 

"ハンドガンの王様"Ⅿ1911と
開発者が同じなので1911にソックリなのは当たり前なのですが、この銃はむしろ1911と正反対の構成要素を持つ銃なんですよね。というよりブローニングが1911の特許を売却したせいで1911の要素を意図的に避けて作ってある。なのに全体の雰囲気は1911にそっくり。面白いですね。
 

この銃の魅力はまずとにかく握り易いところ。他のダブルカラムを握って初めてその良さに気づくところがある。例えばベレッタやUSPなどはハイパワーのざっと50年後に登場した銃ですが握り心地は圧倒的にハイパワーに軍配が上がります。ポリマーフレームが一般化してからはグリップとフレームが一体なぶん肉薄する握りやすさのモデルが出てきましたが、逆にグリップ分離式で同程度のハイパワーが余計におかしな気がしてきます。
 
異常なまでの握りやすさ。
 
内部構造を見るとの秘密が分かります。トリガーメカをスライド経由のシーソー式にしたり、ハンマーの付け根を耐久性が不安になるような方向で設置したりと大変な苦労をして握りやすい「くびれ」を作ったのです。特にシーソー式のトリガーは引き心地が悪くガク引きになると不評で、メジャーな銃でこの後これを採用したものはありません。ただ個人的には確かにクセは強いものの言うほどか?という感覚で握りやすさのメリットの方が遥かに優っていると思います。ハンマー軸についても弱点だという話は聞かないので耐久に問題はないのでしょう。流石ブローニングクォリティ。
 

他にもリンクレスのティルトバレル。前述の特許回避のためにリンクを使えなかったのでしょうがこれ以降のティルトバレル式はほぼこの形、これぞ改良。むしろ本当はガバが45口径だからリンクが必要だったのか?あとは銃口を塞ぐとハイパワーはほぼ完ぺきな防塵ができるので砂漠でも使えるというのを聞いたことがあります。単純構造なので近代拳銃より異物侵入にも強いのです。カダフィ大佐の愛銃は金ぴかのハイパワーでしたがそのあたりが理由なのかも。

この角度イイでしょ!変態のたわ言なので優しくスルーしてください。にしても、こんなに分厚いのに握りやすいんですからね~。
握りやすいからと言って撃ちやすいという訳でもないらしいですが(例えばベレッタのダブルカラムはグリップが太い銃が多いが安定して撃ちやすいという人もいる)、ハイパワーに関してはフルメタルの重量もあってか反動がとてもマイルドで安定して何発も撃てるそうです。多弾数でも数発撃って手首痛めるんじゃ意味ないですからね。
総じてこの時代の銃はしっかりと基礎を抑えたうえで独自構造を載せるという堅実な設計がされていると思います。だから完成度が高く長期間にわたって通用する。ハイパワーは2018年まで新品が製造されていました。
 

今までにない革新性を持つ銃として高い完成度をもって登場したハイパワーですが多弾数の有効性が認知されなかったのか、ダブルカラムの拳銃が主流になるのはその誕生から40年先の話になります。自動拳銃の成熟期といえる1920~40年代の拳銃の中でもワルサーP38とブローニングHPは数十年時代を先取りしていました。

今回はここまで。

お読みいただきありがとうございました。

 


P.S. 悩んだが写真に「遊戯銃だよ~」的なコメント入れるのはやめた。アフィリエイトリンクは貼ってないし大丈夫、はてなからはお墨付きもらってるし。それでも収益化停止されたらそれはそれですね。収益化停止がナンボのもんじゃい!!どんとこい超常現象。