セイコーSUS復刻 SCXP155レビュー① オリジナルとの比較

 

今回は「SUS」の紹介です。セイコーセレクションにて復刻されたノンデイトクォーツなのですが、これが本当に良い製品です。旧版というかオリジナルの7N21バージョンも持っているので比較もしてみたいと思います。
「SUS」とはセイコーが90年代に次々リリースした一連の時計シリーズの総称なのですが、今回復刻されたアラビア数字の時計(アラビアSUS)がメインとして据えられています。ので当ブログでも「SUS」は基本アラビア数字のものとします。

 

セイコーSUS 復刻

 

黒が復刻、白がオリジナルです。発売時期に20年の開きがあるにも関わらず外見は完全に再現されています。この手の復刻商品は普通デザイナーがオリジナリティを出そうとしたり(まあ気持ちは分かります)その他搭載ムーブメントやトレンドなどの理由で大型化や細部デザインの変更が頻繁に起こりますが、これは本当にオリジナルと寸分たがわぬ復刻です。
クォーツムーブメントは元々が小さく機械式のようにケースを大型化する必要が無かったこと、地味なモデルでデザイナーやお偉いさんが注目する品でなかったこと。この二点が大きかったのではないかと思われます。元々が素晴らしいデザインなのでこれで正解です。

セイコーSUS 復刻

 

黒。復刻SUSはバリエーション豊かですがこれは最もプレーンなSCXP155というモデルです。
人気の4S搭載機は文字盤がメタリックでチャプターリングが付きますが、これはいたってシンプル。でもこれで良いんですよ。視認性バツグン、ミリタリーなパイロットウォッチの雰囲気たっぷりです。元ネタ?のIWCマーク11を思えばまさしくこの黒こそがアラビアSUSの本流といえるかもしれませんね。
ただ黒を入手して思ったのは、アップライドインデックスなんですね。凝視しないと気になるものではないんですが、ここは普通にプリントでも良かった気がします。それだとバランスが崩れて安っぽくなっちゃうのかな。

セイコーSUS 復刻

 

全面ルミブライト仕様の白。ルミブライト(ルミノーバ)とは日本の根本特殊化学株式会社が開発した夜光塗料です。様々な分野で使用されているようですが腕時計の夜光塗料に関してはほぼ100%のシェアを誇るトンデモ素材。それまで夜光塗料の主力として使われていたのはトリチウムなどの危険な放射性物質でした。おまけにトリチウムなどとは比較にならないほど長時間光ります。まさに革命的な素材だったわけですね。


ルミブライトで光るようにインデックスは全てプリントなんですが、これが何とも味わい深いんです。「和」の雰囲気というか素朴な感じがします。まあ個人の感想なんで適当に聞き流してください。こちらは白針と黒針の2種類のモデルがあるのですが、カタログを見るに白針は比較的短期間で淘汰されてしまってます。何で白針を復刻したのかは謎です。でもこうして(一応まともな)若者たる僕が釣られてしまってるのですから、その判断正解。
この写真を見て「あれ?」って違和感を感じた人は鋭い。竜頭の周囲、復刻版のほうが若干厚くラインがしっかりしてます。意図的なものではなく工作機械の違いによるものだと思います。僕は復刻のメリハリの効いたラインが好みです。

 

セイコーSUS 復刻

セイコーSUS 復刻

 

リストショット。黒はウレタンや革ベルトが、白はNATOベルトが似合う気がしますが、基本なんでも似合う万能選手です。僕は白にベタ惚れしてますがこの子は間違いなく黒より着けるベルトを選びます。難易度ちょい高めです。
搭載のムーブメントは7N21→7N01と直系のものが使われてますが、復刻版使用の7N01はオリジナルに比べ電池寿命が短いです(5年→3年へ)。そこはまあ時代が変わって掛けられるコストも変わったってことで仕方がないです。性能が落ちても既に製造から20年経ってるロートルと比べれば間違いなく長く使えます。

 

セイコーSUS 復刻

 

横から。竜頭も完璧に一致。どちらも風防(ガラス)が盛り上がってます。オリジナルの白が既にぶつけて欠けている箇所があるのでここは改良してベゼルより少し下にして欲しかったところですね。コストの関係かも。
ばね棒の貫通穴は新旧どちらも開いてますが、雑な感じのするオリジナルに比べて復刻は位置も穴の形状も完璧です。工作機械の進化をひしひしと感じます。

 

セイコーSUS 復刻

 

裏蓋。復刻盤はレーザー刻印です。時計好きとしてはここはNCマシンののっぺりしたレーザー刻印よりも無骨でもっさい打刻印に魅力を感じます。塊感があってグーです。
ねじ込み裏蓋の薄型化はオリジナルの年代で既に完成されてますね。

 

 

というわけで今回はセイコー「SUS」の紹介でした。
時計に興味が無い友人に良いのないかと聞かれたら僕は真っ先にこれを挙げます(タイメックスウィークエンダーやミジェットあたりも良いですね)。完成されたデザインをほぼそのままに、値段も良心的な価格に維持した傑作機だと思います。ギリギリビジネスにも使えるかな?

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。