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クロノトリガー考察1

クロノトリガー 考察

 

ここ数日クロノトリガーをリプレイしてます。もう何十週したか分かりませんが面白さは変わりません。「完璧なRPG」というものが存在するならば、欠点をも含め私はこの作品こそだと思います。台詞や展開の隅々まで覚えても初回に感じたものと同じ感動を提供してくれる、非常に稀有な存在です。既に語りつくされた傑作ですし作品そのものについてこれ以上私が語ることはありません。

 

 

今回はクロノトリガーに残る「謎」についての考察記事にしたいと思います。

クロノトリガーは時代を跨いで世界を救う壮大な物語ですが、各時代、とりわけ物語のハイライトとなる古代において多くの謎を残しています。謎は謎のままの方が面白い、というのはよくある話ですが、無粋ながら私なりの解釈を書いていきます。

 

 

<目次?>

ラヴォスとはいったい何だったのか

・黒の夢とは

ジールとサラはどこへ消えたのか

・魔王がサラ救助よりラヴォス討伐を優先した理由

クロノ・トリガー(時の卵)とは

・死の山は何故特別な力を持つのか

・タイムマシン(シルバード)は何故タイムゲートなしに時を越えられるのか

ガッシュは何故クロノ復活のための用意をしていたのか

・ノルシュタイン・ベッケラーとは何者か

・主人公たち以外の時間旅行者の存在

・ハッシュは全知全能となったのか

・グランドリオンは何故クロノたちを知らなかったのか

・サラはマールと血縁(ガルディア王国建国者の祖先)なのか

・中世において本来魔王(軍)を倒していたのは誰なのか

・紋章のドアは何故古代と未来にあるのか

・プロメテウス(ロボ)は人間のコロニーに潜入して何をしようとしていたのか

・魔王はどこへ消えたのか

・巨人の爪にいたルストティラノ=ブラックティラノなのか

・サイラスとは何者だったのか(何故モンスターに?)

・勇者バッジとは

・なぜグランドリオンは魔王特効なのか

ラヴォス戦のあと、どうやって現代に帰ったのか

・ニズベールは恐竜人

・虹色の貝殻とは

・太陽石とは

・ドリスストーンとは

・グランとリオンの姉、ドリーンはどこへ消えたのか

・沈んだ黒鳥号の行方は

・ヤクラ13世の知るクロノらの「弱点」はどこから伝わったか

ダルトンの消えた先は

・時を喰らうもの(裏ボス)は何なのか

・スペッキオは何なのか

・ヌゥって何なの?

 

・番外編 クロノクロスというゲーム

・あとがき

 

 

目次だけで凄まじい量になっちゃいました(汗)リンダキューブアゲイン並に考察のやり甲斐がありますね。時代バラバラですが書いた順に考察していきます。今日一日これに費やす覚悟はできているので、じっくりやっていきましょう!

 

 

 

 

ラヴォスとはいったい何だったのか

 

最初はやはりコレでしょう。答えは「星を喰らう寄生生物」です。隕石として襲来し、惑星全体を宿主として地中深く(おそらく中心部)に潜り込んで星の情報(FF7のライフストリームですね)を吸い取った後、永い永い年月をかけて十分なデータ(個体の許容量限界?)を得たら地表に出てきて、生態系を破壊する。その後は親の得た情報全てを記憶した子供を何匹か生み出して、おそらくはまた別の星へ旅立っていく。

まあ平たくいえば宇宙生物なんで我々の常識を超えた存在なわけですな。それにしてもラヴォスには以前滅ぼした星の記憶も当然インプットされているのでしょうから、外殻(ラヴォス第1戦)の時に出てくるのが普通だと思います。外敵に対する防御としてはなおさらそうすべきでしょう。まあメドレー戦で訳の分からない新手の敵が出てきても流れを壊すだけでしょうから、そういうことなんでしょうな。あるいは外殻が突破された後の第2、3形態がそうだったのかもしれません。似た設定のFF4TAでは他所の惑星の情報をフル活用して侵入者を迎撃してますが、これはFFという膨大なアーカイブを有する作品ならではというところでしょう。

 

 

黒の夢とは

 

ラヴォス・パワーで復活した海底神殿。古代~未来まで同時に存在している浮遊要塞。どの時代で撃破するかを選べますが、古代で撃破した場合(まあ殆どの人はそうすると思います)その後の全ての時代から消えるので時間は流れているようです。普通に視認できるようなので1999年頃の発達した文明が何故これを撃ち落とそうとしなかったかは分かりませんが、描写的に古代の科学力は未来のそれと同等、凌駕しているようなので「できなかった」というのが正しいかもしれません。

問題は何故ラヴォスが(少なくとも彼?にとっての)役目を終えた遺物を復活させたのかということですが、おそらくこれ自体にラヴォスの意思は関与していない。後述しますがジールは思惑通りに永遠の命を手に入れ、その代償としてラヴォスに乗っ取られた(正しくは飲み込まれた、)のでしょう。とはいえジールとしての思念も残ってはいるはずで、永遠の命を持つ彼女に相応しい「空飛ぶ玉座」として彼女の意思で蘇らせたものではないかと思います。

 

 

ジールとサラはどこへ消えたのか

 

前述の通り黒の夢には時間が流れており、これは古代~未来までの全ての時間軸で存在し続けるジールも同様のことがいえるといえます。つまりジールは望み通りの永遠の命を手にしたわけです。何故地上を滅ぼして自分の王国を再建しないのかについては既に自分が一段上の存在、さながら神のような存在だと思っているからでしょう。

さて「黒の夢」最深部での戦闘の後、ジールは主人公たちの敗北の予言を残して高笑いしながら消えてゆきます。これが作中でのジールの最後の描写です。それまでのモンスターのような「消滅」でも、「成仏」でもなく、まるでどこかに「転送」されるかのような退場。それまで散々やりたい放題やってきたいわば全ての元凶を前に、カタルシスを期待していた身には何ともいえない気持ちを抱いたのではないでしょうか。最もこの後すぐに外殻戦に突入するのでさほど後に尾を引くものではないのですが、ジールは本当に死んだのか。これは多くの人が思う疑問だと思います。以下は個人の解釈ですが、ジール(とサラ)は既に古代のあの時点で死んでいた、というのが一応の僕の解釈です。ラヴォスによって思念が具現化した存在で肉体は既に存在していません。ホログラムと変わらず、あくまで大元のデータはラヴォスの中にあるのだと思います。戦いのダメージによって具現化ができなくなって「消えた」それがジールの最後だったのではないかと思います。これならその後のラヴォス戦で現れない理由にもなります。ラヴォス本体が危機なのに、くだらないデータの具現化にリソース割けませんよね。

サラのその後については続編「クロノクロス」で公式に回答がありますね。やはり既に肉体は存在せずに思念だけが時空を彷徨っているという状態です。ガスターかな?その後同じく残留思念になったラヴォスに取り込まれます。

 

 

魔王がサラ救助よりラヴォス討伐を優先した理由

 

ぶっちゃけ長い間これが最大の疑問でした。作中から分かるように魔王にとって姉のサラは我が身を犠牲にしても取り戻したい存在でした。サラがいなければラヴォス計画は完成しませんし、サラ以上の潜在的魔力を持つといわれた成長後のジャキならばジールやダルトンなど単体では何の障害でもないはずです。なのに自身が経験した歴史を同様に繰り返し、ラヴォス単独討伐などという無謀な計画を遂行しようとしたのか。

はっきりいうと、魔王は古代に戻ってきた当初サラをさほど気にしていなかったのではないかと思います。サラなしでは復活はあり得なかった訳ですから、憎んでいた可能性さえあります。

幼い頃なんて大人が何やってるかなんてまるで分からないし、記憶も曖昧ですよね。大人として自身の過去を追体験するうちに姉に同情し、姉を救いたいという気持ちが強くなっていった。魔王のサラを思う気持ちは作中の出来事と同時進行で大きくなっていったのだと思うのです。それでもその時点ではラヴォスに対する憎しみの方が強く、結果として二度も姉を失うことになってしまいます。エンディング後はサラを探しに行きますが、(おそらく)二度と会えるはずも無く...

 

 

クロノ・トリガーとは

 

タイトルでもあるクロノ・トリガー。タイム・ゲートは俯瞰してみると主人公たちを特定の過去にしか飛ばしてくれません。過去なのにどれもやり直しのきかない一方通行なのです、象徴的なのはルッカの母の一件ですね。これは作中で出たように「地球の意思」が干渉しているのでしょう。だからカエルをサイラスが死ぬ前には戻してくれないし、魔王に三度目のやり直しもさせないわけです。これを覆すのがクロノ・トリガー。「行きたい場所に、行きたい時間に飛ばしてくれる」時の卵。

時間冒険ものにも関わらず定番の「陰で自分たちの行動の結果をこっそり変える」というのが実はこれ一度しか出てきていません。主人公たちは本来なら「クロノが死んだ」という事実を覆すことは不可能なのです。一度きりしかこれをやらないことで時間の大切さを表しているのでしょう。後述しますがクロノの復活は時の卵の作用では無く、あくまで複合的な要因が重なった末の出来事なのだと思います。

 

 

死の山は何故特別な力を持つのか

 

答えは「ラヴォスの死骸」だからです。ほぼ確定でしょう。

1999年ラヴォスは地表を焼き尽くしますが、規格外とはいえ生物ですしあんな数のとげ(おそらく核ミサイル相当)を雨あられのように打ち込んでは体力の消耗は必然です。ラヴォスは地表を均したあと、子供を産んで(卵生かもしれませんが)死んだのでしょう。

未来においてあれだけでかいラヴォスがどこにも見当たらないこと。それなのに死の山にはラヴォスの幼体が局所的に何匹も生息していること。ガッシュが死の山を「監視」していること。クロノ・トリガーの発動に死の山の力が必要なこと。いずれも死の山=ラヴォスを暗示しています。ラヴォスの端末と化したと思われるジールがこの時代に自我を保っている疑問が残りますが、死後も思念が残り絶大な影響力を及ぼすラヴォスですから、未来では既に地球の意思すらラヴォスに浸食されているのかもしれません。未来では既にラヴォス=地球となっている可能性があるということです。

工場においてマザーPCが「ラヴォスの子供たちはいずれ次の星へ旅立っていくだろう」と述べていますが、どうやって大気圏外へ行くのだろうという疑問もこれで解消します。地球そのものを乗っ取ったラヴォスが、子供たちが一定の大きさまで成長するタイミングを見計らって地球ごと爆発することで次の星へ送り出す。星そのものをロケットの一段目代わりにする訳ですね。まさに骨の髄までしゃぶりつくすと。やはり未来においてもラヴォスは死んだわけではなく、本体を移しただけというのがしっくりきます。あるいは死の山が噴火するだけなのかもしれませんがいずれにしても死の山にはまだ子供たちを送り出すための仕掛けが残されているのでしょう。

 

クロノ・トリガーの発動に死の山の力が必要なのは、ラヴォスがタイム・ゲートを発生させる理由と同じですね。ラヴォスの存在が時空を歪めるから。更にはクロノが復活できたのは、あの場で死んだことで思念がジール・サラと同様にラヴォスに取り込まれたことも関係あるのかもしれません。

 

 

タイムマシン(シルバード)は何故タイムゲートなしに時を越えられるのか

 

おそらく材料には死の山から採取したラヴォスの殻(=ドリスストーン)が使われているのでしょうしそれの影響は間違いなくあるのでしょうが、説得力のある考察は中々に厳しいですね。おそるべし三賢者。ボッシュだけちょっとショボいような...

ヌゥが関係しているのかもしれませんね。未来にだけ存在しないというのもミソな気がします。ガッシュは古代の時点でヌゥにかなりの執着を抱いていましたし、死後の端末もヌゥを模しています。タイムマシンの構想自体は古代で既に完成していたようですし、それがラヴォスを材料にすることで実現したということなのでしょう。

作中タイムマシーン自体が意思を持っていると思われる描写もいくつかありました。考えてみれば同じ素材だろうグランドリオンの例を鑑みれば当然なのかもしれません。しかし、ラヴォスから分離した意思(と思われる存在)が主人公たちを助けるのは不思議です。神(製作者=ラヴォス)の手を離れたそれは最早操られてはいないということでしょうか。

 

 

ガッシュは何故クロノ復活のための用意をしていたのか

 

これホント謎ですね。タイムマシン製造はガッシュが元々計画していたものなので良いですが、ハッシュと示し合わせたようにガッシュがクロノ復活を計画していたのは解せません。しかもガッシュは死の前からマールたちを死の山に送るサポートをすることを自身の最後の使命としてプログラムしていました。

関係をにおわせる事実がひとつあります。主人公たちが(というより予言者=魔王が)改変した歴史では三賢者は海底神殿に赴いていないにも関わらず、三賢者+ジャキはタイム・ゲートに飲み込まれました。これは歴史上彼らが飛ばされることは既定事項であるということです。ジャキ=魔王にも改変による変化は何も見られません。まあガッシュは続編のクロノクロスラヴォスが死んだ後の世界線なのにやはり未来にいます)においてもタイム・ポリスを創設するなど三賢者の中でも飛びぬけた天才なので、未来から歴史に関わる過去の全ての出来事をモニターしていたというのが一番納得できる気がします。

それともクロノがどうなろうが、マールたちが死の山に赴かなくてはならない必然性があったということなのでしょうか。

 

 

ノルシュティン・ベッケラーとは何者か

 

 

クロノを生き返らせるためにドッペルゲンガーが必要だと言った後にガッシュが頼るように言ったのがこの男の存在です。デスタムーアのごとく顔と両手のみの存在であり、時代を跨いで物を転送できる能力を持っています。FF5のビックス&ウェッジを召喚したりも。明らかに古代の関係者、どころか時間旅行者以上の特異性を見せるこのキャラですが、正体についてまったく触れられません。

ガッシュが知っていることについてはまあ前述の理由で納得できますが、転送能力の方は何の説明もつきませんし...「ゲームだから」で終わるのは好きでは無いのですが、まあこの作品におけるジョーカーキャラなのだと思います。ヌゥと同じです。

 

 

主人公たち以外の時間旅行者の存在

 

これで殆どの謎は解決するんですがね。ハッシュが初対面時に言及する他、DS版では「時空闘技場」なるものが登場し、色々な時代から来た時間旅行者の存在を見ることができます。まあいくらルッカが天才だとしても時代ごとに同じような存在はいくらでもいるでしょうし、納得はできますが...これ認めちゃうと何故ガッシュが発狂するまで未来に留まったのかという説明が出来なくなるんですよ。

タイム・ゲートで時間旅行ができるのはルッカの発明品よりなにより「地球の意思」がクロノたちを選んだから、というのが作中で暗示されています。資格がないガッシュにはそれができなかったからというのが理由なのです。ベッケラーやヌゥのような存在はともかく、これでは日記にまで帰りたいという思いを吐露し必死にタイムマシンを完成させたガッシュが浮かばれません。

矛盾何てどうでもいいくらい素晴らしいストーリーですし本筋には一切関わらないので別にいいのですけどね。一応考察なので真面目に考えてみました。

 

 

ハッシュは全知全能となったのか

 

時の賢者ハッシュもまたこの作品のジョーカーキャラです。ですが前二人と違ってしっかり本筋に絡むキャラクターなのでそれなりに納得できる理由があります。

ハッシュはガッシュがマールたちをサポートするための準備を終えていることをしっかり把握していましたし、各時代ごとの問題や、それを解決することがクロノらの助けになることも知っていました。彼だけは自らの意思であの場所に留まっているのだろうと考えられます。あの場所「時の最果て」はおそらく地球の中心であり、記憶そのものであり、あの場所にある全てのものには時間が流れていないだろうと思われるからです。そこに留まり続けるハッシュは居ながらにして全ての物事を知覚できるのでしょう。

 

 

グランドリオンは何故クロノたちを知らなかったのか

 

 

「赤いナイフ」を託された人物たちであり、自身がグランドリオンとなるまさにその場所に居合わせたにも関わらず、中世での遭遇時グランとリオンは主人公たちを知らないようでした。まあこの時点では古代に一歩も足を踏み入れていませんから改変前の歴史として当然なのかもしれませんね。

これについては気になる描写が続編のクロノクロスに二つあります。一つは、グランドリオンおよびそれに連なる存在である魔神器(おそらくはタイムマシンも)は資格を持つ「調停者」にしか扱えないということ。調停者の資格を持つのはサラ、セルジュ(クロス主人公)、カエル(グレン)、サイラスなどが明示されています。もう一つはどうやらグランドリオンは持ち主の手を離れた後、次の持ち主の手に渡るまでに一時的な記憶喪失(混濁)状態になるらしいということです。「寝てた」といってましたね、クロスでは。

 

 

サラはマールと血縁(ガルディア王国建国者の祖先)なのか

 

どうなんでしょうね、これは。私的には血のつながりはないと思います。ただ、王家に伝わるペンダントとサラのペンダントが同一のものであることは疑いようも無く、またペンダントが魔人器と同じ素材(ラヴォス製)であること、ペンダントが王家の宝として伝わっていることはガルディア王家の勃興と無関係ではないでしょう。

マールの血筋もまた調停者なのかもしれません。

 

 

中世において本来魔王(軍)を倒していたのは誰なのか

 

おそらく魔王の自滅です。カエルはクロノたちの存在無くしては勇者として立ち上がることはありませんでした。王国軍は魔王軍になすすべもなくやられていき、そしてラヴォスの呼び出しによって魔王城は幹部と共に時間のかなたに消え去り、魔王軍は散り散りになって勇者不在のまま人間は勝利したのだと思います。考えたくないですがグレンはそのまま寂しく余生を送ったのでしょう。

余談ですがラヴォスはストーリーのどのタイミングでも倒せるわけですが(ラスボスがストーリー上のどこでも倒せるゲームというのも異質です)、魔王戦の前にエンディングを迎えると一人グレンが魔王城へ乗り込むエンディングが見られます。暗転のあと魔王戦のBGMとお互いの攻撃エフェクト音の応酬のなかスタッフロールが流れるという屈指のカッコいいエンディングなんですが、最後は魔王城のてっぺんに佇む人影が遠景から描かれて終わります。これが魔王かカエルかについては意見が分かれるようですが、黒の風が吹いていること、若干背が高く見えることを考えると...

 

 

紋章のドアは何故古代と未来にあるのか

 

1999年あたりは文明が進んだ様子ですから、古代の文明力の高さ、そしてその最後に何が起こったかを把握しているのでしょうね。ラヴォス敗北エンドでは情報センター所長(マールの子孫)が「ラヴォス...」とつぶやいていますし。その過程で古代の技術を復元、模倣したものだと思われます。紋章のついた箱は中世~現代のそこら中に転がってましたから「これは何だろう?」となるのも自然な流れです。

まあそれは取りも直さずラヴォスの力を再び利用するということですから、ラヴォスの復活を早めただろうことは想像に難くありません。

 

 

プロメテウス(ロボ)は人間のコロニーに潜入して何をしようとしていたのか

 

仲間の一人であるプロメテウス(ロボ)は終盤のロボット製造工場において「人間取り入ってコロニーで生活し、彼らの生活を観察する」という潜入任務を帯びていたことが明かされています。主人公たちが訪れた未来でプロメテドームだけが既に無人であったのはそういう訳でしょう。問題はロボットのリーダーであるマザーPCは人間に成り代わってこの星の支配者となることを目的として人間狩りを行なっていたことです。プロメテウスをわざわざ回りくどく潜入などさせたのは何故でしょう。

これは人間に成り代わってどう振舞えば良いのかを人間の生活から学び取ろうとしたのではないかと思います。人間を滅ぼした後どうすれば良いか分からない。滅ぼそうとしている人間に見本を求めるというのも従属物の限界を見るようで哀れですが、おそらくこの後ラヴォスによって完全に地球が破壊されることを鑑みてもやはりロボットの存在はピエロでしかないように思えます。

あるいは観察によって人間を滅ぼすという結論に至った可能性もありますが、いずれにしろ壊れたプロメテウスを(おそらく何十年も)放置していた事実からは同胞に対する愛情は見受けられず、この行為は皮肉にも人間を害悪とする存在とは思えない程、人間的な振舞いです。

 

 

魔王はどこへ消えたのか

 

SFC版では魔王はサラを探しにタイム・ゲートに消えたのが最後の登場でした。これがPS版では続編クロノクロスを意識したもう一つのエンディングが加えられています。平たく言えば「ラヴォス戦後の魔王の足取り」です。魔王はクロノトリガーの中でも裏主人公と言って良いほどラヴォスに翻弄された悲劇的な過去を持ち、またサラの行方という作中最大の謎に深く関わるキャラクターでした。なので追加エピソード系が嫌いな私でもすんなり受け入れることができました。(むしろ待ち焦がれていた)

クロノクロスはあくまでも「数ある可能性のひとつ」として描かれていますが、魔王はラヴォス戦後にサラの足取りを求めてどういう訳か独自にタイムトラベルの方法を見つけ出し(おそらくは次元のはざまからやってきたのでしょうが)、ラヴォスの残留思念に取り込まれていたサラを救おうと一人で奮戦します。学習しないなコイツ結果として二度目の敗北を喫し、同様に敗北した主人公たちと共にサラの最後の力で過去に送り返されるのですが、あまりの自分の非力さに絶望した魔王はここで自身の存在を全て捨て去ってしまいます。最後は記憶喪失の魔王が森の中をどこかへ歩いていく場面で幕を閉じるのですが、実はクロノクロスにおいて直接登場することはなく伏線が回収されることもありません。一応記憶喪失でほぼ確定だろうと思われるキャラが存在するのですが、本筋に深く関わってくるキャラでは全くないのです。その後サラの救済は全く別の人間によって果たされることになります。

この何ともやりきれないエンディングですがクロスにおいてルッカの手紙で「きっとジャキ(=魔王)があなたを見つけてくれる」とわざわざ名前が出ているからには、クロス終了後にキッドと巡り会えたのだと信じたいです。それにしてもあらゆる場面でカッコいいのに、ラヴォスが絡むと途端にポンコツと化す魔王さん...

 

 

長くなったので一度ここで切ります。

考察のしがいがあるゲームは楽しいですね。