G-SHOCK GW5500レビュー -無骨な形に機能美が宿る 初代マッドレジストモデル
今日はG-SHOCK GW5500を紹介します。
「スピード」に続く二代目G-SHOCKであるDW5500のソーラー電波モデルです。電波時計ゆえに我が家の「標準時時計」であります。
この無骨なフォルム。いかにも大きくて幅がありそうですが直径45㎝とG-SHOCKの中では割と小さい部類に入ります。写真映えしないモデルですが一定のコアなファンが付いているため、定期的に復刻されるモデルです。
三層にも及ぶベゼルリングと盛り上がったボタンが、まるで何重にも張り巡らされた強固な壁のよう。ボタンはそれぞれ分厚いウレタンでカバーされ、汚れや水が入り込むことを防いでいます。無骨な外側に反して液晶は細かく表示が書かれてごちゃごちゃしているのですが、不思議と煩雑さを感じません。"零士メーター"みたいです。
このモデルこそが、G-SHOCKの高級ラインナップ「マッドマスター」シリーズの始まりの一作です。
オリジンモデルの時点で高いレベルの防塵性を誇っていましたが、問題だったのはプッシュボタン。機能上どうしても本体に直結せざるをえず、さらにボタンを押し込む可動域を確保するためには多少の隙間が必要です。
そこで考え出されたのが、「ボタン全体をウレタンゴムで覆う」というものでした。マッドガード第一号です。
一応押しやすいようにマッドガードの上から凹凸が彫られていますが、内部のボタンを上から間接的に押すので正直押しにくいです。
覆いのウレタンは防塵性確保のために固定されているので強く押し込む必要があります。まあこのモデルの特徴ゆえの不便さなので楽しんでナンボかもしれません。
ベルトは珍しい二つ穴方式です。本体が大きく幅広に感じるのはこのベルト幅の広さの影響が大きいと思います。幅が広い分一つ穴のものより若干薄くて着け心地が良いです。二つ穴だと尾錠のツメも二つで付け外しがしにくいように感じますが、そんなこともなくするりと付け外しできます。
ショックアブソーバーの役割はこのベルトでも標準装備です。ベルトを外して使用している方がたまにいますがあまりおすすめできません。このたわむベルトと本体の中空構造によってG-SHOCKの耐衝撃性は成り立っています。(カプセルタフは、だけどね。フフフ)
裏側からだとプッシュボタン周りの異質さが伝わりやすいですね。オリジナルはボタン部分がオレンジ色です。それはそれでファンキーでカッコ良いのですが、オールブラックはどんな服でも合わせやすく重宝します。元々かなり個性的なモデルなのでむしろ個性が中和されて丁度良いと思ってます。
ムーブメントは"3063"というモデルが使われているようですね。ソーラー電波は詳しくないのでよく分かりませんが、そこはデジタル時計に一家言のあるカシオ。きっと性能の良い機械を積んでいるんでしょう。「タフソーラー」って名前も響きが良いです。
安心の20気圧防水です。
DW5600とDW5750。どちらも「スピード」「スティング」のニックネームで愛されるロングセラーモデルです。同じムーブメントを使用しており兄弟機といってよいほどによく似ています。これだけ見るといかにも立て続けに発売されたように見えますが、実際に型番通りに並べると...
こうなります。DW5600はオリジンモデルの形を踏襲しているので、実際の形の変遷はDW5600→DW(GW)5500→DW5750の流れになっているのです。せっかく付けたマッドガードが次のモデルで外れているところを見ると、やっぱりボタンの押しにくさとかデザインの自由度の低さとかの理由で扱いにくいと判断されたのかな。
このふたつだけ並べると意外と正統進化に見えます。
以上、GW5500の紹介でした。これ以降採用されていない特徴的なマッドガードなど、Gショック過渡期の試行錯誤している様子がよく伝わってくるモデルでもあります。DW5600~DW5900あたりの初期G-SHOCKのデザインは手間をかけて考え抜かれたものが多く、日本人にも丁度良いサイズのものばかりなのでおすすめです。
ソーラーは販売終了で今は電池式のみのようです。
DW5600・5700のレビュー記事はこちら