今日は久々に靴のレビューをしていきます。
フォァアーーーーーーーーッ!!
今回紹介するのはオニツカタイガー メキシコ66SD タイチイエローです。
定価¥16500。黄色と黒の色使いに一目惚れでした。
オニツカタイガーは1949年創業の老舗シューズメーカーです。現在は主にスポーツシューズを手掛けブランド名も「アシックス」に改名していますが、「オニツカタイガー」は今なお独立したブランドとしてメキシコ66ほか往年の人気モデルを中心に販売しています。
更にご存じの方も多いでしょうが、映画「死亡遊戯」で名優ブルース・リーが履いたことで有名です。正確にはメキシコ66に酷似した別の靴ですが。ブルース・リーといえば全身黄色ジャージにヌンチャク、というイメージの方は多いはず。その足元にはオニツカタイガーが輝いていたのです。死亡遊戯をオマージュした「キル・ビル」のユマ・サーマンの場合も同様ですね。
それではレビューしていきたいと思います。
かなり細身で軽い靴です。つま先部分はスエード素材となっており矢印型にカールしています。このレトロ感最高。甲高幅広の日本人の足には合わなそうに見えますが、そこはなにしろ日本のブランドです。基本は日本人の足型にあった形に作られており、伸縮に優れたカンガルー革の力も相まって驚くほどピッタリ足に馴染みます。抜群のホールド感と軽さで素足に近い感覚。窮屈感もありません。昔ながらの革製ランニングシューズの良さですね。
すっきりとしたフォルムは見栄えも大変良いです。
この靴が一番美しく見える角度はやはりここでしょう。虎の毛色を思わせる艶やかな黄色にさっと走る黒のライン。野性的な荒々しさと静謐さが同居する素晴らしいデザインです。ブルース・リーもきっとこの美しいラインに惚れ込んで使ったのだと思います。オニツカ「タイガー」を体現する一足です。
この靴は通常モデルでは無くSDモデル。何が違うのか?歩きやすさです。通常モデルも土踏まずに沿うようなインソールを使用していて歩きやすさに配慮したつくりとなっていましたが(お店で試着しました)、SDモデルは分厚いミッドソールによって高いホールド力を実現しています。黒いラインの部分です。これにより細身ながら長時間快適に歩き続けることができます。
インソールです。通常モデルよりも薄く感じますが、おそらくインソールを分厚くするよりもアウトソールの強化を図った方がより履き心地が改善されるのでしょう。インソールが分厚くなることによってフィット感が失われる可能性もあります。
ハトメの補強は一番上のみで他は特に補強の無い昔ながらのデザインですが、靴紐が細く糸くずなどの出にくいパリッとした紐なので紐の着脱にストレスを感じることは少ないです。ベロにはオニツカタイガーのロゴが縫い込まれています。
ベロも含め全面革製ですので、使用後は吸湿のためにシューツリーを入れておきましょう。僕はコロニルを使ってます。虫が嫌うレッドシダーで作られており入れるだけで香が移り防虫対策になります。価格も安くシューツリーの入門向けにお勧めできます。
この靴のアイデンティティでもある特徴的なヒールパッチです。ぴょこっと出たこの部分の名称は「プル・ストラップ」と言うそう。これがあるおかげで靴ベラが無くとも靴紐を緩めずに履くことができるのですが...これだけ高い靴を雑に履く度胸は僕には無いです。レトロ感を引き出すためのデザインの一部と捉えてます。
見た目はかっこいいのですが履くときにうっかり内側に巻き込んでしまうことがあり、履き心地に影響はないのですが片方だけプルが出ていたりするとかなり不格好です。結構な頻度でやってしまうので困りもの。
汚くてすみません。靴底はスパイク状になっています。これもナイキコルテッツやパトリックなどを見るに衝撃吸収のためというよりレトロランニングシューズの方程式の一部とみるのが自然ですね。それでも一定の衝撃吸収効果はあると思います。
ローテクな見た目の靴ですが、実態はその良さを崩さずに最新技術を導入したハイブリットモデルです。レトロな見た目の良さはそのままに、現代の技術によって履き心地はとても高いレベルで仕上げられています。
ジャックパーセルが近い印象ですが、あちらはインソールを重点的に強化しているのに比べこちらはアウトソールの強化に注力することで窮屈さの無いホールド感を実現している感じです。
既に黄色は品薄状態のようです
あなたもこれ履いてブルース・リーしてみませんか? アチョッッ!!!