なんだか眠れぬ夜です。ちょっとした記事をもう一つ。
「眠れぬ夜に砂男」ってお話ドラえもんにありましたが、あれ男は夢遊病だったってオチなんですよね。最初見たときなんじゃそりゃと思った記憶が。
時計に詳しくなると気を遣う水と磁気。
水の侵入は物理的に気を使っていれば防げますが、我々が生きているのはデジタル社会。磁気を放つものはそこらじゅう溢れていて、しかも目に見えません。気が付けば帯磁している始末です。磁気抜き器は必須。当たり前に出回ってるかと思えば怪しいものばかりで、色々調べて目星をつけたのが以下の三つです。
1,kolchi製 磁気抜き器 コンパクト
本当に使えるか心配になる雰囲気ですが、レビューは以外にも高評価が多いです。低評価でも変な匂いがする、配送が遅いなど品質に関係する理由が少ない。
2,MKS(明工舎)製 磁気抜き器
安心の日本企業。MKSはばね棒外しを買うときにも色々調べました。出自のしっかりした企業のようなので品質も安心。
3,ホーザン 消磁器 HC-31
これも良さそうですよね。Amazonでは時計の磁気抜き用途に購入した方々が何人もレビューして下さっています。どの方も安定して磁気抜きできると高評価です。ただ本来は工具の磁気抜き用ということで脱磁が強すぎないか、逆に部品が磁化してしまわないか少し心配です。
結果どちらを選んだのか?
1の中国製にしました。
こいつを選んだ理由は二つ。値段が¥1000弱と激安で、失敗しても痛手が少ないこと。もう一つは、Amazonレビューだけでなく各方面からの評価が高かったことです。YouTubeでは海外も含めかなり多くの方がこいつを取り扱った動画をあげて下さっています。流通数が多い=問題点も露呈しやすいということであり、情報の信頼性も高いです。決定的だったのは本職の方々の中にもこれの使い方を解説して下さっているものがあったことです。品質はどうあれ磁気抜き器として正常に稼働するものであると判断しても良いと思いました。
(時計店の方が使用方法を紹介して下さってます。)
https://www.youtube.com/watch?v=G64QfvpwoX4
(メルシーウォッチさんより同製品の紹介)
https://www.melsy.com/magnetized/
結論からいって使える品だったのでこいつを選んだことになりましたが海外製ですし、気兼ねなく使いたいならMKSの方を選ぶべきです。こちらもYouTubeなどで使用されている方々を確認できますし、なにより出自がしっかりしており時計の磁気抜きを主用途として謳っているので信頼が持てます。安心を買うと思えば決して高くはないはずです。
では、僕が選んだこいつの簡単な紹介をば。
これほどに分かりやすい中国製品もないでしょう、外側だけ見ると完全に中国国内向け製品のよう。いま中国ではバブルで成功した富裕層が世界中から時計を買い漁っているという話を耳にしたことがあるので、この製品もそうして自然と出てきた需要に応えたものなのかもしれませんね。レビューにあった匂いですが確かに少し機械油の匂いがします。しばらくしたら消えたので心配ないかと。
Amazonレビューでコンセントからスルッと抜け落ちてしまうという報告がありましたが、なるほどプラグが非常に細いです。少し引っ張ると簡単に抜けてしまい、本当に差しても良いものか不安。海外製品でアンペアの違いは大丈夫なのかなどの問題もあります。絶対に差しっぱなしにしてはいけません。使用の際も燃えそうなものは遠ざけるべき。
赤いボタンを押すとランプが点灯し、転倒してる間磁場が発生します。色々やり方はあると思いますが、僕は少し上から横に滑らせる方式で使ってます。といっても時計本体には怖くて使えてません。ばね棒外しとかばね棒とか、部品や道具の脱磁に使ってます。正直MKS製でも時計本体の脱磁は怖いです。時計本体が大きく帯磁してしまった場合は素直にプロに任せるべきだと思います。
脱磁の際のコツとして、脱磁器の上を滑らせたらそのまま腕が伸びきるまで遠くへ腕を横に持っていくことです。磁気は5㎝もあれば殆ど影響は無くなると聞くのであまり大げさに腕を動かしたりはしなかったのですが、それだと全然磁気が消えてくれませんでした。仕組みとしては磁気を装置に置き去りにするようなものなので、ちゃんと遠くまでもっていかないと納豆みたいに磁気が離れてくれないのかも。
それから小さい部品や道具はちゃんと消磁できましたが、大きいドライバーなんかは消磁できませんでした。そういうのは工具専用のブロックタイプの磁気抜き器?を買った方がいいかもです。
以上で簡易ながらレビューを終わります。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
<追記>
中身の確認画像を上げ忘れていたので載せます。
裏側です。四方にパットが付いていて裏蓋が直接地面に触れないようになってます。何のためかは知らん。蓋は上下二か所を+ねじで固定されていますが、市販のドライバーで取れます。結構小さめのドライバーを用意してください。
蓋を開けるとこんな感じです。中身スカスカですがごちゃごちゃしてるよりも遥かにいいです。
電磁コイル部分。電源に未接続だとコンパスが反応しませんが、念のため影響を受けそうなものは遠くに離しておきましょう。コイル周りの絶縁対策?がビニールテープぐるぐる巻きなのが心配ですが、今のところ使用に問題なし。
スイッチ部分。簡素なはんだ付けですがはんだの量は十分です。ただ僕の個体は赤プラグ部分のはんだ付けが弱いですね。大丈夫かなぁ。
簡易な構造で安心しました。構造を理解しているわけではありませんが、つくりがシンプルだと何か安心できます。ドライバーで簡単に外せる蓋なので、使用される前に一度中身を確認することをお勧めします。自分はもし虫とかいたらやだなぁと思って開けました。ショートも怖いですし。偏見だと思われるかもしれませんが、輸入品は日本の常識で考えてはいけないと思ってます。何があるか分かりません。
<追記>
時計好きにはおなじみ"HODINKEE"でも紹介されてました。
https://www.hodinkee.jp/articles/how-to-demagnetize-your-watch